自由を求めるてるてるのブログ

風のように自由になりたい(・ω・。)

デルトラ考察 トーラ族は何故シャーン様を見捨てたのか

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こんにちは! てるてるです(・ω・。)
今回は、トーラ族は何故助けを求めたエンドン国王とシャーン王妃を見捨ててしまったのか考察していきたいと思います!
 
以外ネタバレ注意☆
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

 

デルトラ・クエスト〈完全版〉(全17)

デルトラ・クエスト〈完全版〉(全17)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

デルトラ王国に影の大王が侵攻してきたあの日、エンドン国王とシャーン王妃はトーラ族に保護を求めるお手紙を送りましたが、トーラ族はその手紙を破り捨てて、断りの返書を出してしまいました。
 
トーラ族がそうした理由については、トーラ族の幼い子どもの手をひいた若い父親が語っています。
 
"「みんな、それが当然の判断だと思ったのです。わたしたちにとって、エンドン国王は、なじみのない人でした。初代アディン国王につき従ってデルへうつり住んだ者たちは、王宮でのはなやかな生活に夢中になり、故郷トーラと王宮との橋わたしをすることを、わすれてしまったのです」"
(作:エミリー・ロッダ 訳:岡田好恵『デルトラ・クエスト 7  いましめの谷』
岩崎書店 2003年 16 明日への希望 p195)

 

いやいや、シャーン様は!!??
 
 
と指摘しているのは某デルトラ(プラス他ジャンル)の二次創作サイトの管理人さんです。
デルトラ二次小説のある作品の中で指摘しております(このサイトさんは二次創作サイトなのでサイト名を伏せておきます)。
 
 
エンドン国王はデルの人間ですが、シャーン様はトーラの人間です。
トーラ族がいくらエンドン国王と縁遠いといっても、トーラはシャーン様の実家のはず。
トーラ族はなぜシャーン様を助けなかったのでしょうか?
 
 
そこで考えられることをいくつかあげていきたいと思います。
 
 
 
 
 
1.エミリーさんがついうっかり忘れていた説
 
これはロマンがないから却下☆
 
 
 
 
 
2.主席顧問官の陰謀説
 
①親や親戚、友達のいない箱入り娘を主席顧問官が選んだ
 
 
②シャーン様の親や親戚、友人を主席顧問官が殺した
 
 
①、②で、シャーン様の一番力になってくれそうな人々はいない、orいなくなるので、シャーン様に何かあったときに心配する人がいなくなります。
あ、でも②だといきなり人が何人もいなくなるので、主席顧問官がかなり怪しまれそうな展開になりそうです笑。
 
 
 
 
③主席顧問官がシャーン様に関するトーラ族の記憶を消した
 
主席顧問官がシャーン様に関する記憶をトーラ族の人たちから奪ったとすると、トーラ族にとってシャーン様の印象はものすごく薄くなるので、彼女に対する情も薄くなりそうですね。
シャーン様にピンチが訪れても誰も助けようとは思わないのも不思議はないのかも?
 

 

 

 

 

3.シャーン様がトーラで嫌われ者だった説
 
トーラ族に秘密はありません。
秘密はない、というと心を許している感じでいいな、と思う反面、ちょっと息苦しい気もします。
行動とか全部みんなに筒抜けなんでしょうか。
噂とかも早く広まりそうですね。
喧嘩しないのかなぁ…。
嫌われ者とかいたりして…(´;д;`)
 
もしかすると、トーラ族にとって国王の配偶者に選ばれることは名誉とかじゃないのかもしれません。
ただの伝統と習慣というか。
 
トーラ族から嫌われている人を国王と結婚させることで、トーラ族にとって厄介な人を事実上トーラから追放できます……。
 
 
 
まぁ、デルでのシャーン様の感じを見ていると多くの人に好かれてたっぽいから、この説はなさそうですね〜。
 
 
 
 
 
4.シャーン様はトーラに住んでいなかった説
 
ある2つのセリフを取り出してみると、シャーン様はトーラに住んでいなかったのでは? という疑問が浮かんできます。
 
 
まずはシャーン様のセリフ。
 

 "「わたくしだって、トーラの生まれですよ」シャーンがまっすぐ彼女をみつめて言った。「少なくとも、わが家の先祖はトーラ族だと、言いきかされて育ちました。でも変ね。トーラ族の魔力で、毒を感知することができたかしら?」"

(作:エミリー・ロッダ 訳:岡田好恵『デルトラ・クエストⅡ 2  幻想の島』
岩崎書店 2003年 9 国王に死を! p133)

 

このセリフの「少なくとも、わが家の先祖はトーラ族だと、言い聞かされて育ちました」に注目してみてください。
シャーン様が実際にトーラに住んでいて、自分はトーラ族で間違いないと確信を持っていたら、このセリフは言う必要はないんじゃないでしょうか?
 
 
そして、もう1つのセリフ。
これは先程も引用しましたが、もう一度〜。
 
"「みんな、それが当然の判断だと思ったのです。わたしたちにとって、エンドン国王は、なじみのない人でした。初代アディン国王につき従ってデルへうつり住んだ者たちは、王宮でのはなやかな生活に夢中になり、故郷トーラと王宮との橋わたしをすることを、わすれてしまったのです」"
(作:エミリー・ロッダ 訳:岡田好恵『デルトラ・クエスト 7  いましめの谷』
岩崎書店 2003年 16 明日への希望 p195)

 

「初代アディン国王につき従ってデルへうつり住んだ者たちは、王宮でのはなやかな生活に夢中になり、故郷トーラと王宮の橋渡しをすることを、忘れてしまったのです」
に注目してみてください。
トーラ族の何人かは、アディンと一緒にデルへうつり住んだみたいですね。
もしかすると、彼らはアディンの妻ツァーラの親族や友達だったのかもしれません。
 
ブランドン国王のときにデル城ができたので、それまではデルの鍛冶場の近くに住んでいたかもしれませんね。
アディンとともにデルへうつり住んだトーラ族は、デル城ができてからデル城に住んでいたのでしょう。
そして、華やかな王宮での生活に夢中になり、トーラと王族の橋渡しの役割を忘れてしまった…。
 
代々の国王の配偶者は、アディンとともにデルにうつり住んだトーラ族の子孫かもしれませんね。
デル城へ住むようになった彼らの中から国王の配偶者を探す。
デルへうつり住んだトーラ族はトーラと王族の橋渡しの役割を忘れ、トーラとの連絡は途絶え、デル城外部の情報は入らなくなっていった……。
 
もしそうであったとすれば、プランディン(或いはその数代前の主席顧問官)のかけた魔法の霧の効力は、国王の配偶者にとっても効果抜群です。
案外、使用人たちもデル城に住んでいた一族の子孫かもしれません。
デル城に住んでいる人々は、デルの街がどんどん荒廃していくのを知らないままぬくぬくと暮らし、民衆の憎悪がデル城で暮らす人々へ向けられていった……のかもしれません。
 
 
 
 
ということで、私は
2.主席顧問官の陰謀説③
4.シャーン様はトーラに住んでいなかった説
の二つの説が有力かなぁと思うんですが、どうでしょうか?
 
なんにせよ色々な可能性が浮かんで楽しい☆
 
では、今回はこの辺で〜(・ω・)ノ
 

"ハニー" "ベイビー" じゃない!? 『デルトラ・クエスト』のジョーカーに見る恋人呼称

 

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こんにちは! てるてるです(・ω・。)
今回は非常に萌える記事を見つけたので紹介しようと思います!
 
 
以下ネタバレ注意☆

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

デルトラ・クエスト〈完全版〉(全17)

デルトラ・クエスト〈完全版〉(全17)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 
 
 
 
 
 
 
 
それがこちらのサイトになります。
デルトラについてより詳しく書いてありました!
全て英語で書かれているので、興味のあるところからちまちま読んでいます。
デルトラファンなら必見のサイトですよ!
 

 

 

このサイトの【Jarred】(ジャード(ジョーカー)について書かれています)のページに情報が!
 
【Jarred】のページの【Relationships】(キャラ同士の関係が書かれています)の【Anna】の項目です。
 

Anna

Jarred's wife. They had a very loving relationship. Jarred used to call her 'dear heart'. He was distraught when she died in the Shadowlands.

 

(2018年1月25日 23:20 閲覧)

 

 

引用の3文目に注目してください。
 
「ジャードは彼女のことを "dear heart" と呼んでいた」(てるてる意訳)
 
らしいですよ!
萌えませんか!!!
 
"dear heart" 良いです……。
ちょっとクラシカルな感じとか…。
愛情はもちろんのこと、相手への敬意も感じられる表現になっているなぁと私は思いました。
 
 
ジャードがアンナさんに呼びかけているシーンはこちら!
8巻の『帰還』にて、ジョーカーの記憶が戻り始めます。
過去を振り返り、その当時のセリフを呟いているシーンです。
 
 

”「なあ、おまえ……むこうからは……かくまえないという返事がもどってきたよ……」”

(作:エミリー・ロッダ  訳:岡田好恵『デルトラ・クエスト 8  帰還』

岩崎書店 2003年 13 鍛冶場 p176)

 
この「なあ、おまえ……」が原書だときっと「Dear heart……」になるんですね!
いや〜良いですね〜(しみじみ)。
 
 
英語圏の恋人呼称で私が知っていたのは
"darling(ダーリン)"  "honey(ハニー)"  "baby(ベイビー)"くらいしかなかったので、この「なあ、おまえ……」のシーンは、
英語だと「Oh My hony……」なのか!?
いやいやちょっとなー。
ジョーカーのイメージと違うしな〜。
「Oh My hony……」だとちょっとチャラそうというか…キザそうというか…
(※ちょっとチャラいキャラとかキザなキャラが使うイメージがあります。多分アニメとかの影響です。)
と悶々としておりました(笑)
 
 
因みに英語での恋人の呼び方がまとめられているサイトがこちら〜
ぜひご参照あれ。

 
 
 
この後のシーンもてるてる的萌えポイントです。
 
”記憶のなかの、愛する妻の返事をまっているのだ。やがて、その口もとがやさしくほころんだ。”
(作:エミリー・ロッダ  訳:岡田好恵『デルトラ・クエスト 8  帰還』
岩崎書店 2003年 13 鍛冶場 p177)
 
あのいつも厳しい表情のジョーカーが!?
皮肉な感じの笑みしか浮かべないジョーカーが!?
妻に対してやさしく口元を綻ばせただと〜~!!!
……萌えます(´ῥ`)
 
アンナさんのこと大好きだったんだね…
っていう気持ちになります。
 
”「なあ、おまえ……」”→ ”口もとがやさしくほころんだ。” よりも
”「Dear heart……」”→  ”口もとがやさしくほころんだ。”
のほうが、アンナさんのことを大切に思ってる感じが伝わってきて私は好きです。
 
 
日本語には恋人を呼ぶ特別な表現がないから、ちょっと残念ですね。
「なあ、おまえ……」だとちょっと…なんというかちょっと傲慢な感じ? 偉そうな感じ? がね、ちょっとあるので。
ジョーカーの正体を知ってから1巻を読み返し、もう一度このシーンを読むと
「ジャード貴様〜!! 命の恩人のアンナさんに向かって "おまえ" 呼ばわりとは!!」
みたいな心境になります。
 
ま、ここではアンナさんの名前を出すわけにもいかないし、日本語には恋人を呼ぶ表現がないから、「おまえ」になっちゃうのはしょうがないんですけどね〜。
 
一応万葉集あたりには、夫のことを「我が背」、妻のことを「我が妹」といいますが、デルトラでこれが出てきても、世界観をぶち壊してしまいますしね(笑)
 
日本にも何か良い恋人呼称ができてほしいものです。
 
 
 
 
 
 
 

ブログアイコン変えました!

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こんにちは! てるてるです(・ω・。)

 

2018年になりましたね〜

早いです!

新しい年のはじまりということで、ブログアイコンを変えてみました〜!

 

アイビスペイントXというアプリを使って色を塗ってみましたよ〜

最近はデルトラ・クエスト関連の記事を多めに書いているので、宝石を意識した色にしてみました!

 

そして肩に乗っているのはてるてる坊主のてるぽんです!

かわいいでしょ(笑)

この子も時々このブログに登場するかもしれませんね〜

 

2018年ものんびりブログを更新していきます!

宜しくお願いします〜

 

 

 

 

 

 

デルトラ考察 リーフはホントに金髪?

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こんにちは! てるてるです(・ω・。)
 
今回は『デルトラ・クエスト』の主人公、リーフの髪の色について考察していきたいと思います。
 
以下、ネタバレ注意☆
 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

デルトラ・クエスト〈完全版〉(全17)

デルトラ・クエスト〈完全版〉(全17)

 

 

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
リーフの髪は、アニメ版や漫画版、ゲーム版では金髪です。
フォア文庫の表紙のリーフも金髪になっています。
 
あなたの一番印象に残っているのはどのリーフでしょうか?
私はアニメ版ですかね〜
ということで、アニメ版リーフを描いてみました!
 
 
 
 
 
リーフは、アニメ漫画ゲーム共に金髪碧眼です。
ですが、本にはリーフの髪の色の記載はありません。
 
ということは、リーフは金髪ではなかった可能性が生まれてくるのです!
 
私自身、リーフは金髪ではないと思っています。
その理由は次の通りです。
 
 
 
 
 
 
 

バルダの見たもの

 

リーフの髪の色は何色かを探るにあたって、重要になってくるのが、バルダの見たものです。
彼の見たものと、リーフの父母エンドンとシャーン様の髪の色について触れていきます。
 
”「バルダは知らなかったのよ。彼は、ジャードとアンナがここを出ていくのをみて、それが国王と王妃だと思いこんだの。わたしたちの言葉を、そのまま信じて。お城では、彼はわたしたちを遠くからしかみたことがなかったの。しかも、宮廷風のはなやかな服を着たわたしたちをね。(…以下略…)」”
(作:エミリー・ロッダ 訳:岡田好恵『デルトラ・クエスト 8  帰還』
 岩崎書店 2003年 16 広場 p218)
 
 
 
1.シャーン様の髪色
 
リーフがアニメ版などのように金髪であるなら、親であるエンドンかシャーン様が金髪である必要があります。
 
まずはシャーン様の髪の色から探っていきます。
シャーン様の髪の色は作中では明記されていませんが、彼女の出身の部族から推測することができます。
 
シャーン様はトーラ族です。
こちらはシャーン様のセリフ。
”「わたくしだって、トーラの生まれですよ」”
(作:エミリー・ロッダ 訳:岡田好恵『デルトラ・クエストⅡ 2  幻想の島』
岩崎書店 2003年 9  国王に死を! p133)
 
 
シャーン様の他にトーラ族と思しき人物がいましたね。
その人物はデインです。
それはゼアンのセリフからわかります。
"「まあ。あの子はわたしたちトーラ族にそっくりですね! 髪の色も目も……」
(作:エミリー・ロッダ 訳:岡田好恵『デルトラ・クエスト 8  帰還』
岩崎書店 2003年 1 トーラの魔法 p17)

 

 

 また、デインの特徴を述べた文がこちら。

"細身で、女の子のようなやさしい顔をし、つややかな黒い髪を無造作にたらしているので、おさなくみえてしまうのだ。"
(作:エミリー・ロッダ 訳:岡田好恵『デルトラ・クエスト 6  魔物の洞窟』
岩崎書店 2002年 2 運命のいたずら p29)

 

 

これにより、
 
デインはトーラ族に似ている。→デインは黒髪。
トーラ族は黒髪。
 
という三段論法の出来上がりです!
 
よってシャーン様は黒髪ということが推測できます。
 
 
 2017/12/23 追記
"背中にたらした髪の毛は、黒、鋼のような灰色、輝く白など色に差はあれ、それぞれに、ヴェールのようだった。"
(作:エミリー・ロッダ  訳:神戸万知『デルトラの伝説』
岩崎書店 2002年  魔法の街 p239) 
 
すみません、見落としていました……。
指摘してくださった方、ありがとうございます。
アディンの時代のトーラ族は黒髪だけじゃなかったみたいですね。
時代が進むにつれて他の部族の行き来が増えていくので、リーフの時代には、黒、灰色、白以外の髪色のトーラ族もいたかもしれませんね。
とはいえゼアンがあのように言っているので(上記のゼアンのセリフの引用参照)、黒、灰色、白辺りが主流なのかもしれません。
 
 
 

2.ジャードの髪色

リーフの母であるシャーン様の髪色がわかりました。
次に証明したいのはリーフの父であるエンドンの髪色ですが、残念ながら彼の髪色は明記されていません。
 
そこで重要になってくるのがエンドンの親友であるジャードの髪色です。
 
ジョーカーことジャードの描写がこちら。

”バルダとおなじくらい身長が高く、強そうで、くしゃくしゃの黒髪を長くのばし、黒いあごひげをはやしている。褐色の片がわのほおには一本、ジグザグの傷が白く走っている。”

(作:エミリー・ロッダ 訳:岡田好恵『デルトラ・クエスト 3  ネズミの街』
岩崎書店 2002年 4 お金の問題 p48)

 

ここから、ジャードは黒髪ということがわかります。
 
 
 
 
 

3.王族の髪は長い

 
アニメ・漫画・ゲーム版を見ているとついつい忘れがちな設定ですが、「王族の髪は長い」という設定があります。
掟によりしっかりと定められているのです。

”毎朝、係りの者に長い髪を編みこませ、金のひもでむすんでもらうこと・・・・・・これも、おきての一つだった。”

(作:エミリー・ロッダ 訳:岡田好恵『デルトラ・クエスト 1  沈黙の森』
岩崎書店 2002年 1 王は死んだ p14)

 

 

バルダはエンドンとシャーンを遠目に見たことがあります。

”「バルダは知らなかったのよ。彼は、ジャードとアンナがここを出ていくのをみて、それが国王と王妃だと思いこんだの。わたしたちの言葉を、そのまま信じて。お城では、彼はわたしたちを遠くからしかみたことがなかったの。しかも、宮廷風のはなやかな服を着たわたしたちをね。(…以下略…)」”
(作:エミリー・ロッダ 訳:岡田好恵『デルトラ・クエスト 8  帰還』
 岩崎書店 2003年 16 広場 p218)

 

 

遠くから見たことがあるのなら、確かに顔の細部はわからないかもしれません。
しかし、髪が長いので、髪の色くらいはわかるのではないかと思います。
 
バルダは、エンドンの髪の色は見たことがあるので、ジャードの髪の色とエンドンの髪の色が違うと、「鍛冶場に残っている方がエンドン国王だ!」と、バルダが鍛冶場に転がり込んだ時点でわかってしまいます。
そうなってしまうと、「帰還」のトリックが台無しです。
 
よって、エンドンが金髪なのは少し無理があるかな、と。
そうなってくると、リーフも金髪では無いんじゃないかな~と私は思うのです(・ω・。)
 
※ただ、アニメみたいにフードをかぶられてしまうと髪の色は見えなくなってしまうので、この論は成立しなくなってしまいますね…。
 
 
 
 
 
 
 

トーラ族の替え玉

 

次に注目したいのは、トーラ族の協力による替え玉作戦です。
 
いましめの谷からベタクサ村へいくとき、ジョーカーがリーフたちの替え玉として、トーラ族3人をトル川近くへ派遣しました。
そのときにリーフの替え玉となってくれたのは、クリスという少年でした。

 "(中略)クリスは長い黒髪を、リーフとおなじくらいに刈りつめてもらった。"

(作:エミリー・ロッダ  訳:岡田好恵『デルトラ・クエスト  8 帰還』
岩崎書店 2003年発行 4 七部族 p67)

 

 

クリスは黒髪を刈りつめてもらっただけです。
ということは、リーフは黒髪なのではないでしょうか?
 
他の髪の色だった場合、かつらをかぶる描写があってもおかしくないような気がします。
また、キャラの絡みも生まれてきそうなものです。
ピール「ようクリス、金髪も似合ってるぜ」みたいな感じで。
 
 
 
 
 
 
 

遺伝

 
最後に見ていきたいのは、リーフの血筋についてです。
 
デルトラ国王は代々トーラ族と結婚してきました。
 
こちらはジンクスのセリフです。

 "「先祖代々の伝統にしたがったのさ。初代国王のアディンは、トーラ族の女性と結婚した。アディン国王の子どもたちも皆、それにならっている。…(中略)…」"

(作:エミリー・ロッダ 訳:岡田好恵『デルトラ・クエストⅡ 1  秘密の海』
岩崎書店 2003年 3 影 p39)

 

 

 

それを図にするとこんな感じになります。
 
☆図の見方

 ・D=デル族の血筋 T=トーラ族の血筋を表します。

 ・アディン(D)とツァーラ(T)に生まれた子●●は、アディンの(D)、ツァーラの(T)を

  一つずつもらい、(D1T1)と表します。

  そして●●(D1T1)と○○(T)の間に生まれた子は●●の(D1T1)、○○の(T)をもらって

  (D1T2)と表します。

 ・ガレスとリリアの間には何人かいるので「・・・」で省略しました。

 

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代を重ねるたびに、トーラ族の血が濃くなっていっていることが分かりますね!

 というか、こうみるとリーフってトーラ族の血が濃いな(笑)

 

トーラ族は黒、もしくは黒に近い髪色です(「バルダの見たもの  1.シャーン様の髪色」を参照)。
代を重ねるごとにトーラの血が濃くなるので、王族の髪の色は黒の確率が高そうです。
 

 

 2017/12/23 追記

 ブランドンの息子はルカンでしたね。ルカンの息子がガレスです。

 ブランドンとガレスの間にルカンが入ります。抜けちゃってました……。

 ご指摘下さった方ありがとうございます~。

 

 

 

 

まとめ

 

これらの理由から、リーフは金髪ではなく黒髪なのではないかと考えました!
そう考えるとちょっぴりイメージ変わりますね!
トーラの不思議な力とかがいつか開花するんではなかろうか…とか考えてしまいます(笑)
 
 
 
 
 
 
 

おまけ

 

ファドレラの輝く髪
 
外見がリーフそっくりな人物として、ファドレラがいます。
そのファドレラの描写がこちら。

”青年は小さな竪琴で、甘いメロディーを奏でていた。耳にエメラルドのピアスをはめ、輝く髪にはエメラルドの髪飾り。”

(作:エミリー・ロッダ  訳:上原梓『デルトラ・クエスト Ⅲ 2 影の門』

岩崎書店 2005年発行 17 城 p250)
 
 
この"輝く髪"というのが気になります。
"輝く髪"は「つやつやの髪」なのか、
照明に反射して、金髪のような色素の薄い髪がキラキラしているのか、判断がつきません……。
 
リーフの髪の色の謎は深まるばかりです(笑)
 
 
 
 

ブログアイコン変えました!



こんにちは! てるてるです(・ω・。)


ブログアイコンを変えてみました!


元の絵

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せっかくなので、自分で描いたやつにしてみました〜

てるてる9割増しです(もはや別人(笑))



ダッシュボート→設定→ブログアイコン

で変更できます。


プロフィールアイコンは

ダッシュボート→アカウント設定→プロフィールアイコン

で変更できますよ〜!


今のブログアイコンに飽きたら変えてみてくださいね!



それでは〜(`・ω・´)ノ


デルトラ考察 ジョーカーの正体~ミスリードとヒント~

 
 

    f:id:teruteruchange:20170814214713j:plain

 

こんにちは! てるてるです(・ω・。)
今回は『デルトラ・クエスト  8  帰還』における、ジョーカーの正体のミスリードとヒントについて書きたいと思います!
 
以下ネタバレ注意☆
 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

デルトラ・クエスト〈完全版〉(全17)

デルトラ・クエスト〈完全版〉(全17)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

スリード

ジョーカーは影の大王に対抗する「レジスタンス」のリーダーです。
しかし、リーフたちとことあるごとに対立したかと思えば(リスメア競技大会の脅しの紙切れ、隠れ家の監視室に閉じ込めるなど)、
リーフたちを助ける(リスメア競技大会後に憲兵たちに捕まったリーフたちを助けだしたり、スカールからかばったり)こともある、敵なのか味方なのかわからない、謎の存在です。
「帰還」ではそんな彼の正体がわかりますが、作者のエミリー・ロッダさんにより、2回のミスリードが行われています。
 
 
1.ジョーカーは影の大王の手下?
 
 "リーフは、その顔をみた。先頭は、髪を血だらけにした小人族のグラ・ソン。左腕をだらりとたらしている。そのつぎは、恐怖にふるえあがっているマナス。そのうしろに、ファーディープとナニオンに支えられ、トーラ族の長ゼアンがよたよたとつづく。そして最後に、石だたみの道路にうつぶせの体をうちつけながら、憲兵たちにひきずられてくるのは……グロック! 両手首は、鎖がくいこんで、血だらけだ。 
 だが、ひとり、たりない。ひとりだけ、姿がみえないものがいる。
「――なるほど、そういうことか」バルダが言った。"
(作:エミリー・ロッダ 訳:岡田好恵『デルトラ・クエスト 8  帰還』
岩崎書店 2003年 11 広場 p156〜157)
 
これは、リーフたち3人とルーカスが、ベタクサ村からデルの街の広場に到着したときのシーンです。
ここで、支柱に縛り付けられたデインが憲兵たちに燃やされそうになります
そして、仲間たちは全員捕まっている――ただ一人、ジョーカーを除いて。
 
一人だけ捕まっていないということは、そいつが敵と通じているということです。
つまり、ジョーカーこそがスパイだと。
「――なるほど、そういうことか」と言ったバルダ同様、読者も、ジョーカーこそがスパイで、影の大王の手下だと思い込むのです。
 
 
 
2.ジョーカーはエンドン王?
 
ジョーカーは真の影の大王のスパイ、デインを倒し損ねて逆にやられてしまいます。
塚の上から転げ落ち、頭を強く打ったことで、彼の記憶が戻ってきます。
彼は追体験をするように、うわ言で色々なことを話し始めました。
 
"「なあ、おまえ……むこうからは……かくまえないという返事がもどってきたよ……」まるで手紙をにぎりしめるように、指が動く。「しかたがない……ひきかえそう……デルの東へ逃げよう……西ではなく……」"
(作:エミリー・ロッダ 訳:岡田好恵『デルトラ・クエスト 8  帰還』
岩崎書店 2003年 13 鍛冶場 p176)
 
これまで心だけリーフたちと共に冒険をしてきた読者は、「匿えないという返事」「手紙」「もともと西へ逃げようとしていた」という3つのキーワードから、これは、デルトラのベルトが破壊され、影の大王勢力がデルトラに侵入してきた日のできごとで、彼はエンドン国王なのでは? と疑いだします。
 
"「ああ……そのとおりさ。だが……いまはどこへいっても危険だよ……気をつければ、だいじょうぶだ。おれたちは……生きのびられる。これから生まれる子もだ。この子は、きっと……強い子に育つ。そして時がくれば……」"
(作:エミリー・ロッダ 訳:岡田好恵『デルトラ・クエスト 8  帰還』
岩崎書店 2003年 13 鍛冶場 p177〜178)
 
この「そして時がくれば……」で途切れてしまうのが意味深です。
リーフやバルダ、そして読者は「そして時がくれば……」の後には、「この子は良き国王になるだろう」とか、そういうニュアンスのセリフが来るのではないかと期待したはずです。
 
 
そして、彼の正体はエンドン国王だと、確実に読者に思い込ませる重大な証拠が、ジャスミンの持っていた「くまさんおきて」で始まる、城の地下道を伝える歌の書かれた紙切れです。
 
"エンドン国王が子どものときに描いた絵と歌が、ここにある。王家の人びとだけに、城の秘密の地下道を語り伝える歌。ほかでもないこの部屋で、リーフは父から、エンドン国王とシャーン王妃が城を脱出したときのようすを、何度もきかされた。この歌のことも。父の話がうそではなかったという証拠が、いま、ここにある。そして、ジャスミンがそれをもっていたのだ。長年、肌身はなさずに。"
(作:エミリー・ロッダ 訳:岡田好恵『デルトラ・クエスト 8  帰還』
岩崎書店 2003年 13  鍛冶場 p181) 
 
この決定的な証拠により、ジョーカーがエンドン国王だったんだ! と読者もリーフとともに驚愕します。
 
しかし、ジャスミンがベルトをつけても発光しない……。
ベルトはジャスミンをアディンの直径の子孫として認めなかったということです。
 
これでまた、ジョーカーの正体は闇の中となってしまいます。
 
 
 
 
 

ジョーカーの正体のヒント

ジョーカーの正体は、エンドン国王の親友、ジャードでした。
この場面を小説で読んだ日、「ジョーカーがジャード……ジョーカーがジャード……うおお!!」となってしまい、そればっかり考えていました(笑)
 
小説を何度も読み返していくうちに、あることに気づきました。
なんと、ジョーカーの正体について、ちょこっとヒントが出ているのです!
 
それは、ジャスミンと、彼女の両親についての記述を細かく見ていけば、「おお! こんなところにヒントが!」と気づくことができます。
 
 
1.アンナさんの描写
 
ジャスミンのお母さんはアンナさんです。
 
デルトラ・クエスト 1  沈黙の森』ではアンナさんが登場します。
一度目はクリアンの孫娘でジャードの妻アンナとして、
二度目は単にジャスミンの母として登場します。
 
 
ジャードが城から追い出されて、鍛冶場に転がり込んだ日の描写。
アンナさんとして登場。
"クリアンが声をかけると、さっそくやさしい顔の少女が走り出てきた。"
(作:エミリー・ロッダ 訳:岡田好恵『デルトラ・クエスト 1  沈黙の森』
岩崎書店 2002年 4  鍛冶場 p43)
 
 
沈黙の森でトパーズを手に入れたときの描写。
ジャスミンの母として登場。
"霧のなかから、ゆらゆらした白いものがあらわれた。それは、やさしい顔の女性の姿になった。"
(作:エミリー・ロッダ 訳:岡田好恵『デルトラ・クエスト 1  沈黙の森』
岩崎書店 2002年 16  トパーズ p181〜182)
 
 
ここで注目したいのは、どちらにも「やさしい顔」という描写が入っていることです。
 
しかし、優しそうな雰囲気の女性はデルトラ中にゴマンといることでしょう
「やさしい顔」という同じ描写を使いながら、同一人物だと読者に気づかせないのです。
 
気づくようで、なかなか気づきにくいヒントとなっています。
 
 
 
2.ジャードとジャスミンのセリフ
 
ジャスミンのお父さんはジャードです。
 
ジャードとジャスミン、実は決定的な類似点があるのです!
それは彼らのセリフに隠れていました。
 
 
まずはジャスミンから見ていきます。
鍛冶場でジョーカーの記憶が戻ったあと、リーフは一人、以前使っていた自室に行きます。
その時憲兵団が鍛冶場へ突入してきたシーンで、彼女が言ったセリフがこちら。
"「近よらないで!」ジャスミンがさけんでいる。「近よらないでよ! こっちは三人しかいないのよ。そっちは十人もいるじゃない!  十人も!」
リーフははっとした。これはジャスミンからの合図だ。リーフに、きても無駄だ、近よるなと合図しているのだ。同時に、憲兵たちには、この家にいるのはジャスミンジョーカー、バルダの三人だけだと思わせようとしている。"
(作:エミリー・ロッダ 訳:岡田好恵『デルトラ・クエスト 8  帰還』
岩崎書店 2003年 13  鍛冶場 p185)
 
敵に向かって話してはいるけれど、味方へのメッセージにもなっている、機転のきいたセリフです。
読んでいて、ジャスミン頭いいな〜と思っておりました(笑)
 
 
しかし、このシリーズを一読した読者なら、ジャスミンのようなセリフ――つまり、敵に向かって話してはいるけれど、味方へのメッセージにもなっているセリフ――を一度見たことがあるはずです。
それが、こちら。
"「一対三だぞ、プランディン」ジャードはさけんだ。「ひとりの相手をしているうちに、あとのふたりは逃げるぞ!」
これは、エンドンへの合図でもあった。
(ぼくがプランディンの相手をする。シャーンをつれて、逃げてくれ)"
(作:エミリー・ロッダ 訳:岡田好恵『デルトラ・クエスト 1  沈黙の森』
岩崎書店 2002年 7  うらぎり p74〜75)
 
 ええ、これジャードのセリフなのです!
親子で同じようなことをしてるんですよ!
何度も読み返していくうちにこれに気づいたときは感動しました!
 
 
ジョーカーとジャスミンは似ているところがあるのは読者周知の事実です。
素晴らしい運動能力と戦闘能力、直感力や、気の強いところ、現実的なところ、などなど。
ということで、彼らが似たような発言をする可能性はなきにしもあらずです。
なので、ジョーカーとジャスミンが親子関係だということが分かれば、この2つのセリフから、ジョーカーの正体を特定できます。
 
ちゃんと、ジョーカーの正体を解く鍵をエミリー・ロッダさんはさり気なく置いていってくれていたのです。
やはりすごいお方だ……。
 
 
 
 
 
「帰還」のジョーカーの正体のミスリードは圧巻ですね!
ジョーカーがジャードだと特定できるヒントも実はあったんだよ!(てるてる調べ)
すごいね!
というお話でした。
 
ますますエミリー・ロッダさんを崇拝したくなっちゃったところで、今回の考察は終了です。
 
 
また会いましょう!
ではでは〜(`・ω・´)ノ
 
 

瀕死のパソコン



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 その事件が突如起こったのは、7月の中旬頃である。

  てるてるが、家に据え置かれている中古のデスクトップパソコンで、大学から出題されたレポートに取り掛かろうとしたときだった。てるてるはいつものようにパソコンの電源ボタンをポチっと押した。いつもと違うのはそれでパソコンの電源が入らないことだった。何度もパソコンの電源ボタンを押した。時間をおいて何度も試した。しかし、一向にパソコンに電源が入る兆しは現れなかった。


 てるてるずハウスにはパソコンを使う人間が3人いる。てるてる、てるてる父、てるてる弟だ。

 パソコンの電源が入らなくなった事実を知り、当然のことながら彼らは大いに落胆した。その中で一番の損害を被ったのはてるてるである。彼女には、大学のレポート、卒論などやらなければならないことの他に、趣味である小説を書くことや、ブログの編集をすることなども行えなくなってしまったのである。

 さしあたり一番厄介だったのは、大学のレポートが家で出来なくなったことである。試験期間を間近に控えたてるてるずハウスの学生たちはかなりの不便を被った。課題の提出期限間近、てるてる弟は朝早くに家を出て、急ピッチで大学で課題を仕上げる羽目になった。


 7月の終わりに、てるてる父が朗報を持ってやってきた。親切な電気屋からパソコンの回線を見てみてみるよう、助言を頂いたという。3人は大いに盛り上がった。これでパソコンが使えるようになるかもしれない!

 しかし結果は惨憺たるものだった。助言を受けたてるてる父がパソコンを見てみたが、特に異常はなかったと追う。再び彼らは落胆した。

 彼らは議論を重ねた。こうなってしまった以上は、新しいパソコンを入手する他はない。 

 どんなパソコンが良いか、どこで手に入れるか、どの機種にするかなど……。彼らは、急な出費を残念に思う一方で、新しいパソコンへの夢を膨らませていた。


 8月の始めであった。てるてる父がパソコンの電源をつける裏ワザを見つけたのだ! 彼らは大いに沸き立った。 これで暫く出費をしないくいい!

 てるてるは早速、てるてる父から伝授された裏ワザを使い、パソコンを立ち上げた。てるてるには夏季休暇中に終わらせなければならない、或いは終えておきたいことが山ほどある。まずは、大学から出されたレポートに取り掛かることにした。

 Wordを開き、キーボードを快調に叩いていく。サクサクとレポートが進んだ。

 しかし、それは長くは続かなかった。文字を打ち込むと、パソコンの動作が、吹雪に吹き付けられて氷漬けになったようにピタッと止まっては、冬眠から目覚めたての動物のようにのろのろ動き出すということを繰り返していた。この一連のパソコンの不具合は、てるてる父が激安で仕入れてきた中古のパソコンが、寿命を全うするのも時間の問題だということにもはや疑いの余地はなかった。てるてるは密かにため息をついた。

 てるてるは止まったり動いたりするパソコンにイライラしながら、約5時間ほどかけてレポートを完成させた。その時である、問題が起こったのは!

 完成したレポートを印刷しようとしたら、なんと「Wordが応答しません」とエラーが出たのである!

 てるてるは愕然とした。Wordが応答しなくなる前にUSBにテキストは保存した。しかし、そのデータが水泡に帰してしまっているということも考えられる。

 そうなると今までのレポートにかけた時間全てが無駄になる。それだけでもかなり重大な問題だが、物書きや物書き見習い、或いは物書き気取りの者にとって一番の問題は、データが消えてしまえば、その文章表現は二度と戻ってこないということだ。もちろん、書いた内容はある程度は覚えている。しかし、どんな言葉を用いて表現したか、助詞は何にしたかなど、全てを細かく憶えていられないのだ。頭をひねって工夫した表現が全て永遠に消えたまなのは、彼らにとって重大な損失である。

 これはてるてるにとっても例外ではなかった。特にこのレポートには自信がある。それをみすみす自分の手で消し去る羽目になるとは!

 「これでUSBのデータ消えてたら、このパソコンぶっ壊してやる! なあ、この気持ちわかるだろ?」

「わかる」

てるてるの、パソコンを酷使してしまった後悔と、データが全て消えたかもしれない不安と憤りの混じった問いかけに、てるてる弟は冷静に答えた。ゲームの中のキャラクターを目で追っていて、いかにもてるてるの意見には興味関心がなさそうに見える。しかし、声には憐れみの気持ちがこもっていた。せっせと作り上げたレポートがパソコンのせいで全て無になることは、決して他人事ではないのを、彼もよくわかっていた。


 後日、てるてるは大学のパソコンでWordを開いた。すると、データは全て以前のまま完全な原稿として存在していた。

 助かった!

てるてるはほっと胸を撫で下ろした。

 レポートを印刷し、後は教員に提出すればオーケーだ。


 しかし、この事件により、パソコンを買い換えなければならないことが明白であることがはっきりした。近いうちに電気屋に赴き、優秀なパソコン(パートナー)を見つけなければならない。 

 パソコンを求めるてるてるの冒険はここから始まる……。





てるてるのパソコンは今瀕死です。

という現状を小説仕立てにしてみました。


近いうちにパソコン買います…。