自由を求めるてるてるのブログ

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デルトラ考察 ジャスミンたち家族はなぜ沈黙の森で長年暮らしてたのか

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こんにちは! てるてるです(・ω・。)
今回はジャスミンたち家族がどうして沈黙の森で長年暮らしていたのかを考察していきたいと思います!
 
 
以下ネタバレ注意☆
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

 

デルトラ・クエスト〈完全版〉(全17)

デルトラ・クエスト〈完全版〉(全17)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

1.ジャードとアンナ、ジャスミンが沈黙の森に住むまでの流れ
 
 
リーフたちの冒険が始まる16年前、影の大王軍がデルトラ王国に侵攻してきました。
そこでエンドン国王の親友ジャードは国王夫妻と世継ぎを守るために、自分たち夫婦が国王夫妻の替え玉となることを決意。
国王夫妻にこれからは表向きはデルの鍛冶屋として生きるように進言し、ジャードとジャスミンを身ごもったアンナさんは住んでいた鍛冶場から出ていきました。
 
彼らは当初トーラへ向かう予定でしたが、トーラ族から国王夫妻を匿うことを断る返書が届いたこと、また、道中は子どもを連れた女や妊婦は容赦なく殺されているという情報を手に入れたため、トーラではなく、東へ引き返すことにしました。
 
 
"「情報では……西の道路には……憲兵がつめている。子ども連れの女はみんな……殺されているそうだ。東へいこう……『沈黙の森』へ……。やつらも……まさか……あそこまでは……さがしにくるまい……」"
(作:エミリー・ロッダ 訳:岡田好惠『デルトラ・クエスト 8 帰還』
岩崎書店 2003年 13 鍛冶場 p177)
 
 
ということで、彼らは沈黙の森へ避難し、生活することになりました。
 
 
しかし、ジャードはこの選択で本当に良かったのだろうかと悩んでいたことがわかります。
 
 
"「かわいそうな子……勇敢で……小さな……わたしたちのひとり娘……」目をつぶったまま、つぶやきつづけた。「あそび相手は鳥と動物だけ……おもちゃは『沈黙の森』の木や石だけ……本も、きれいな服もない……あるのは恐怖だけ……いつも恐怖だけだ! おれとおかあさんは……何度、話し合ったことか。これで、よかったのかと。おれたちはいい。自分たちで選んだ道だから。だが、おまえにまで……」"
(作:エミリー・ロッダ 訳:岡田好惠『デルトラ・クエスト 8 帰還』
岩崎書店 2003年 13 鍛冶場 p177) 
 
 
 
 
 
2.近くの街
 
 
こんなふうに悩んでいるものだから、ついてっきり、デルの東側にはあんまり村とか街がない、あったとしてもめちゃくちゃ遠いため移動距離が長いから道中危険なのかな、だからずっと沈黙の森に住んでたのかな〜と思ってました。
 
 
しかし、よく読んでみると街や村が結構あるんですよね。
デルトラ界で有名なララディン、ブルーム村のほか、農村地帯や大きな街もあります!
 
 
これらはデルから竜の巣へ向かう道中の様子。
 
"そのうえ、いくさきざきの農場や村で、王の一行をみつけた人びとが、あいさつのために走りでてくる。"
(作:エミリー・ロッダ 訳:上原梓『デルトラ・クエストⅢ 1 竜の巣』
岩崎書店 2004年 10 計画変更 p138)
 
 
"「どこかに標識があるとは思っていたんだ。リングールは大きな街だからな。いや、少なくともむかしはそうだった」"
(作:エミリー・ロッダ 訳:上原梓『デルトラ・クエストⅢ 1 竜の巣』
岩崎書店 2004年 10 計画変更 p142)
 
 
 
とりわけ、リングールは沈黙の森の東、果ての森からそう遠くない場所にあるようです。
デルトラ・クエストⅢ 1 竜の巣』では、リングールの郊外に宿営を張った衛兵たちがロルフに襲われたときの悲鳴を、果ての森にいたリーフたち3人が聞いています。
 
 
 
 
ここで疑問が1つ生まれてきます。
そこそこ近くにも村や街があるのになぜ彼らは移動しなかったのでしょうか?
少なくとも町や村に行けば、恐ろしい怪物はいないし、人はいるし、服も手に入る。
運が良ければおもちゃや本もあるかもしれません。
 
確かに、影の憲兵団はデルトラ国民がたくさんいるところへやってくるでしょう。
シャーン王妃を血眼になって探していた頃は街や村にいたらかえって危険かもしれません。
しかし何年経っても動きがなければ警戒も緩まり、シャーン様くらいの年齢の子持ちの女性を無差別に殺すことはしなくなるでしょう
(まず片っ端から殺していくのにかなり手間がかかる。そしてそれによりデルトラ国民から強い恨みを買い、暴動が起きる可能性があるなど、影の大王サイドに不利になることが様々考えられます)。
少しほとぼりが冷めたときに町や村へ移動すれば、ジャードが哀れんでいたことのいくつかは解決すると思います。
村や街ごと潰されても、彼らは運や自分たちの才能、知恵などをうまく駆使して生き延びる力がありそうなので、沈黙の森に何年か住んだ後、村や街に移動するという選択もありだったのではないかと思います
 
 
 
 
 
3.彼らが移動しなかった理由
 
 
それなのになぜ彼らは移動しなかったのか。
村や街への移動になかなか踏み切れなかったのは、ジャスミンの特殊能力のためなのではないでしょうか。
 
 
"階段をおりきると、屈強な衛兵たちがわきによけて、彼女を通した。皆、ジャスミンが、こんな朝早くから起きているのをおかしいと思っているかもしれないが、おくびにもださない。変わり者は変わった行動をするのを期待されているのだと、ジャスミンはにがにがしく思った。"
(作:エミリー・ロッダ 訳:岡田好惠『デルトラ・クエストⅡ 1 秘密の海』
岩崎書店 2003年 2 危機一髪 p24)
 
 
"「あんなこと言わなくてもよかったでしょ!」衛兵を背に足早に進みながら、ジャスミンは怒っている。「あの人たち、鳥や木と話すわたしを魔女だと思い込んでるのよ。薬草さがしだなんて言ったら、みんな、わたしが魔法の薬でも作るのかと思うじゃない! 進路を骸骨山へ変えたのも全部、わたしのせいにされるわ!」"
(作:エミリー・ロッダ 訳:上原梓『デルトラ・クエストⅢ 1 竜の巣』
岩崎書店 2004年 7 より道 p94)
 
 
などのように、鳥や木と話せるジャスミンは、何かと好奇の目に晒されたり、魔女だと恐れられています。
 
 
 
国王とともに冒険をし、影の大王の支配下から脱却する際の立役者にもかかわらず、ジャスミンに対してこの態度だというなら、もしジャスミンがなんの功績も残していない頃に木や鳥と話せることを人々にオープンにした場合、これよりもひどい扱いを受けることは明白です。
鳥や木と話せることを理由にバカにされるかもしれないし、いじめられるかもしれない。
最悪の場合、憲兵団が襲撃に来たときに村人や街の人に真っ先に生贄として差し出されるかもしれない。
影の大王とはまた違った脅威になりそうです。
 
 
ジャスミンの能力が遺伝だったとしたら、アンナさん(かジャード)がそのような扱いを既に受け、悲しい思いをしていたのかもしれません
(ジャスミンの能力が遺伝だった場合、アンナさんが木や鳥と話せることを希望。ジャードにこれ以上設定を加えるとチートになってしまう笑)。
 
 
ジャードもジャードで、城ぐらし→デルの街で生活をする際に、絶対に城から来たことをデルの街の人に知られてはいけないと気を張っていたと思います。
城で贅沢な暮らしをしていた人々に、デルの街の人はいい感情を抱かない。
ましてや国王の親友ともなれば恨みも倍増、デル城の前まで引っ立てられて主席顧問官に引き渡されればジャードの命はありません。
絶対に城からきたことをバレてはいけない。
 
 
そういうわけで、ジャードとアンナさんは人の優しさや善意も知っているけれど、人の怖さも知っている。
 
 
だからなかなか村や街に移住するという決断ができなかったのかもしれません。
そしてだからこそ最初からあえて人のいない危険な沈黙の森を選んだのかもしれません。
 
 
とはいえ、ジャードが作中で言っていたように、森での生活では他人との良い関係は気づけないし、物もない。
これでよかったのだろうかという葛藤は常に渦巻いていたのではないでしょうか。
 
 
それかジャスミンが十分に成長したとき(例えば12.13歳くらい?)になったときに街や村に出かけてみて、それからジャスミンの反応を見て移住するか決めるつもりだったのかもしれませんね。
 
 
 
 
 
そのあたりのことを『帰還』の後にジャスミンジョーカーが話していたとしたらとても萌えます。
 
 
 
 
 
ということで、今回の考察はこの辺で終わり〜
 
 
ではでは(・∀・)丿